胃カメラ検査について
胃カメラ検査とは、口または鼻から内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸の粘膜をカメラを介して直接観察する検査です。 がんをはじめとする上部消化管の病気を早期に発見することができます。いずれも初期には無症状であることが多いため、症状が気になったときだけでなく、無症状の場合も、定期的に胃カメラ検査を受けることをおすすめします。
当院では、経口内視鏡、経鼻内視鏡のいずれにも対応しております。またご希望の方には、麻酔を用いたより苦痛の少ない検査を行います。
こんな症状はありませんか?
以下のような症状がございましたら、お早めに当院にご相談ください。
- のどの痛み、異物感
- 食べ物が飲み込みづらい
- 胃やみぞおちの痛み
- 胃もたれ、胸やけなどの不快感
- げっぷ
- 酸っぱい胃液がこみ上げる
- 食欲不振
- よく貧血を起こす
- 黒色便が出た
当院の胃カメラ検査の特徴
消化器・内視鏡専門医による検査と
正確な診断
日本消化器病学会の消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医である院長が、丁寧な内視鏡検査の上、正確な診断を行います。
口・鼻からの胃カメラを選択可能
内視鏡を口から通す「経口内視鏡」、鼻から通す「経鼻内視鏡」のいずれにも対応しております。嘔吐反射が起こりやすい方、苦痛を抑えたい方には経鼻内視鏡がおすすめです。
患者様に合わせた適切な麻酔
患者様のお身体の状態、過去の内視鏡検査の経験などから、お一人おひとりに合った麻酔をいたします。
安心の検査実績
開院した平成13年から令和5年までの内視鏡検査の累計実績は19,989件にのぼります。経験に裏打ちされた、苦痛の少ない、正確な胃カメラ検査を提供します。
NBI内視鏡を採用
特殊な光を当てることで、がんなどの病変部を強調する「NBI」システムを搭載した内視鏡を使用し、病気の正確な発見に努めています。
土曜日も検査が可能
平日がお忙しく受診が難しいという方のため、土曜日(9~12時)にも胃カメラ検査を受けていただける体制を整えております。
胃カメラ検査で見つかる疾患
食道静脈瘤
(しょくどうじょうみゃくりゅう)
食道静脈瘤肝硬変がある程度進行してくると血液が肝臓に流れにくくなって食道の血管(静脈)に流れやすくなります。しかし食道の血管はそんなに強くないのでだんだん増えた血液により膨らんで限界を越すと血管が破れて大出血を起こすのです。 食道静脈瘤の破裂は肝硬変の方たちが以前は命を落とす最大の原因でした。現在は内視鏡手術により静脈瘤を結紮し出血をとめることができるようになりました。
食道潰瘍(しょくどうかいよう)
胃の粘膜の迷入により起こることが多いと言われています。
逆流性食道炎
(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)
胃酸が食道に逆流することによって引き起こされる病気で、主症状は胸やけ、げっぷです。 以前は胸やけというのは慢性胃炎の一症状と考えられていましたが、現在では胸やけがある方はすべてこの病気といわれています。 お薬の内服によりほとんどが軽快します。
食道癌(しょくどうがん)
ハイリスクの要因は50歳以上の男性で、お酒・タバコを嗜まれる方たちです。 ものが飲み込みにくい、痛みがある、いつもつかえた感じがあるなどの症状が出ることがあります。 非常に死亡率が高い病気ですが、早期発見できれば内視鏡で切除でき完治可能となりました。
食道進行癌
「食道進行がん」とは、食道の粘膜下層よりも深い層にまで拡大している食道がんのことを指します。気管、大動脈などの近くの臓器にまで広がったり(浸潤)、さらにリンパ液や血液を介してリンパ節、肺、肝臓などへと移ることもあります(転移)。
早期食道癌
「早期食道がん」とは、食道の粘膜内に留まる食道がんです。この時点ではほとんど症状がありません。
早期食道癌NBI
早期の食道がんであっても、当院でも採用している「NBI」を搭載した内視鏡であれば、特殊な光によって病変部が強調されることから、発見できる可能性が高くなります。
胃潰瘍(いかいよう)
本質的にはピロリ菌が原因といわれています。昔はひどい潰瘍は手術治療が行われていましたが、現在はH2-blocker、PP-Inhibitorといったお薬が開発されたことによってほとんどが手術を必要とせずに治療可能となりました。
胃癌(いがん)
日本人の癌の最大死亡原因がこの胃癌です。ピロリ菌が原因の一つとも言われています。喫煙・食事などが発ガン要因ともいわれています。 早期胃癌であれば今は内視鏡で完治することが可能な病気ともなってきています。無症状であっても年に一回の検診をお勧めします。
進行胃癌
胃の粘膜下層のさらに下、筋層にまで達したがんを「進行胃がん」といいます。大腸、膵臓、横隔膜、肝臓などへと広がったり(浸潤)、リンパ液や血液を介して胃から離れた遠くの臓器に移動したり(転移)といったことが起こる可能性が高くなります。
早期胃癌
胃の粘膜下層までのがんを「早期胃がん」といいます。
この段階では、ほぼ自覚症状はありません。
早期胃癌NBI
自覚症状のない早期胃がんであっても、特殊な光を当てて病変部を強調する「NBI」を搭載した内視鏡であれば、発見できる可能性がより高くなります。
早期胃癌インジゴ散布
早期胃がんを発見するための方法の1つです。胃全体にインジゴ(インジゴカルミン)という青い液体を散布し、病変部のコントラストを強調します。
胃ポリープ(いぽりーぷ)
食道や、胃、十二指腸のポリープは一般的に癌化しないものが多いですが、100パーセントではありません。ごくまれにはやはり悪性のものもあります。また、良性であっても、大きくなってくると時には大出血の原因ともなりますので、定期的な経過観察が必要となります。
十二指腸潰瘍
(じゅうにしちょうかいよう)
本質的にはピロリ菌が原因といわれてきています。昔はひどい潰瘍は手術治療が行われていましたが、現在はH2-blocker、PP-Inhibitorといったお薬が開発されたことによってほとんどが手術を必要とせずに治療可能となりました。
十二指腸がん
(じゅうにしちょうがん)
十二指腸は胆汁や膵液などの消化液の通り道ですが、この場所に癌ができるとその通り道が狭くなり黄疸や膵炎などを起こします。
胃カメラ検査の流れ
Step1事前検査
検査を安全に行うために、全身状態の把握や感染症の有無について、採血検査を行います。
経鼻胃カメラをご希望の方は、この時にお申し出下さい。心疾患、緑内障、前立腺肥大、糖尿病の既往がある方、 麻酔薬に対するアレルギーがある方はお申し出下さい。
現在内服中の薬がある方はお申し出下さい。お薬の内容によっては数日前より休薬していただくことがあります。
Step2検査前日
問診票をご記入下さい(事前検査の時にお渡しします)。
検査前日午後8時以降は絶食して下さい。 (午前0時までの水分、及び寝る前の薬は服用可)
Step3検査当日の朝
検査当日は、絶飲食で薬も飲まずにご来院下さい(喫煙も含む)。
当日、注射をしますので、腕の出しやすい服装でお越し下さい。
検査の際に使用する薬の影響で、めまい・眠気・ふらつき・目のちらつき等が起こる場合があります。
Step4前処置
胃の中を綺麗にする液体の薬を飲んでいただきます。また、のどの痛みやおえっとえずいてしまう反射が楽になるよう、スプレーなどで麻酔を行います。その後、胃内がきちんと観察できるよう、胃の動きを止める注射をします。
経鼻胃カメラの場合
① 左右の鼻腔に、点鼻薬を数滴いれます。
② ①を行った5分後に、麻酔薬を鼻腔に噴霧します。
③ 胃内がきちんと観察できるよう、胃の動きを止める注射をします。
④ スティックを左右どちらかの鼻腔に挿入し、約1分間置きます。
Step5検査
検査用ベッドに、左を下にして横になり、マウスピースを装着していただきます。麻酔が効いてきますので、楽な状態になったら検査を開始します。カメラが入り、検査は数分で終了します。 患者様も検査を受けながら、モニターを見ることも可能です。
※場合によっては組織検査やピロリ菌の検査を行うこともあります。
Step6検査結果
検査終了後、ベッドで30分後安静にしていただきます。その後、医師より検査結果の説明を行います。
※組織検査や詳しいピロリ菌の検査を行った場合は、約1~2週間後に説明をいたします。
Step7検査終了後について
喉の麻酔が効いているため、約1時間は飲食ができません。検査後の食事は、消化のよいものや刺激のないものを食べて下さい。胃の動きを止める薬の影響で、目がチカチカしたりまぶしく感じることがあります。
その場合、1時間程度で改善しますのでご安心ください。
胃カメラ検査の費用
※横スクロールで全体を表示します。
負担割合 | 支払額 | |
---|---|---|
胃内視鏡検査 (検査のみ) |
3割負担の方 | 3,420円 |
1割負担の方 | 1,140円 | |
ヘリコバクター・ピロリ菌感染について検査した場合の追加費用 | 3割負担の方 | 1,530円 |
1割負担の方 | 510円 | |
生検(細胞の検査)を1臓器行った場合の追加費用 (※手数料、判断料を含む) |
3割負担の方 | 3,960円 |
1割負担の方 | 1,320円 |
※診察料、薬剤料は含まれていません。ご不明点がございましたら、当院までお問い合わせください。
よくある質問
胃カメラ検査を受けたいのですが、どうすればいいですか?
胃カメラ検査においては、検査日が予約制となっています。ですので、まずは診察を受けていただき、その際に検査日を決定します。また、すでに検査日の希望がある場合には、診察より前にお電話をいただき、先に検査日を決定しておくということも可能です。 尚これは大腸カメラ検査でも同じです。
胃カメラ検査とバリウム検査は、何が違うのでしょうか?
「森を外から見るか(バリウム検査)」、「中から見るか(胃カメラ検査)」という例えばしばしば用いられます。バリウム検査では、どうしても死角ができることがあります。一方で胃カメラ検査であれば、ほぼ死角はありません。また、疑わしい部位の組織を採取し、病理組織検査にかけることができます。
昔、胃カメラを受けて苦しい思いをしたのですが、今の内視鏡は違いますか?
現在の内視鏡検査では、ファイバースコープという細くやわらかい管を通して観察するものであり、かつての苦痛の大きい検査とは根本的に異なります。 また当院では、経口内視鏡に加えて経鼻内視鏡をご用意しております。経鼻内視鏡では、スコープが舌の根に触れないため、嘔吐反射も起こりにくくなっています。スコープそのものもより細いものを使用するため、苦痛がより軽減されています。
胃カメラ検査は、保険診療として受けられるのでしょうか?
基本的に保険診療となります。ただし、医師が胃カメラ検査の必要がないと判断した場合には、自費診療となります。自費診療となる場合にはその旨をきちんとお伝えしますので、ご安心ください。