胃がんの初期症状は何?
げっぷやおならは初期症状?
胃がんは、初期にはほとんど自覚症状がありません。また、進行してからも症状が現れないケースも存在します。
症状を挙げるとすれば、胃やみぞおちの痛み、胸やけ、胃もたれ、吐き気、食欲不振、黒色便などになります。これらの症状がすでに現れている、特に慢性化している場合には、すぐに当院にご相談ください。
げっぷやおならが気になる場合は
消化器内科を受診しましょう
げっぷやおならについては、基本的に胃がんを原因として現れることはありません。
ただし、どちらも病気を原因として多発することがあります。
げっぷが多い場合には食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎、機能性ディスペプシアなどが、おならが多い場合には過敏性腸症候群などが考えられます。また、呑気症を原因としてげっぷやおならが増えることもあります。
どちらも生理現象であり、過度に心配する必要はありませんが、「最近げっぷ(おなら)が増えたな」と感じたときには、消化器疾患を疑い、お早めにご相談ください。
胃がんは自覚症状が出てからだと
手遅れ?
胃がんの怖いところは、初期にはほとんど症状が現れないということです。
つまり、症状に気づいて受診し胃がんが発見されたときには、かなり進行している可能性があるということです。
しかも、胃がんの代表的な症状のほとんどは、食べ過ぎや刺激物の摂り過ぎなどで現れる一時的な急性胃炎などでも同様に見られます。これが、症状に気づきながら受診を後回しにしてしまう原因にもなっています。
「症状が出てからでは手遅れ」とは言い切れませんが、早期発見・早期治療のためには、症状のないうちから、あるいは軽い症状が続いた段階で、胃カメラ検査などを受けることが大切になります。
胃がんの罹患数は多いが
死亡数は減っている
胃粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞化し、無秩序に増加して発生するがんです。
胃がんは、日本人男性のかかるがんの中でももっとも罹患数の多いがんです。現在、国内だけで1年間に10万人以上が胃がんと診断されています。
一方で、近年の胃がんを原因とした死亡率は減少しています。定期的に胃カメラ検査を受ける人が増えてきたこと、ピロリ菌の検査・除菌治療を受ける人が増えてきたことが背景にあるものと考えられます。
胃がんの原因になる!リスク要因
胃がんのリスク要因には、肥満、塩分の摂り過ぎ、ピロリ菌感染、喫煙などが挙げられます。
また、血縁者に胃がんの既往(家族歴)がある場合には、そうでない人よりも胃がんの発症リスクが高くなると言われています。
肥満・塩分の摂り過ぎ・ピロリ菌感染・喫煙はいずれも排除できるリスク要因です。つまり、取り組み次第で、胃がんの発症リスクを抑えることが可能です。
胃がんの進行度
胃がんは大きく、その進行度において、早期胃がんと進行胃がんに分けられます。「早期胃がん」とは、胃の粘膜下層までの胃がんです。
そして「進行胃がん」とは、胃の粘膜下層よりもさらに下にある筋層にまで達した胃がんを指します。進行胃がんは、大腸や膵臓、横隔膜、肝臓などへと浸潤したり、リンパ液・血液を介して遠く離れた臓器に転移することがあります。
胃がんの検査
胃がんの検査には、胃カメラ検査や胃部X線検査(バリウム検査)があります。
胃部X線検査では、バリウムを飲んだ上で、X線で胃部を観察します。どうしても死角が発生してしまうため、胃がんなどの病変を見逃してしまうことがあります。
一方で胃カメラ検査であれば、胃をほとんど死角なく、カメラを介して直接粘膜を観察することができます。また特殊な光や薬剤を使って病変部を強調したり、疑わしい組織を採取して病理組織検査を行ったりすることが可能です。
胃がんのより確実な発見のためには、やはり胃カメラ検査をおすすめします。
早期発見のために定期的な検査を
自覚症状の少ない胃がんを早期に発見するためには、症状に気づいたときはもちろんですが、症状のないうちから、定期的に胃カメラ検査を受けることが大切になります。
まず、50歳以上の方は年に1度のペースで、胃カメラ検査を受けることを強くおすすめします。この年代の方は、胃がんのリスク要因となるピロリ菌に感染していることも多いため、ピロリ菌検査も同時に受けるとなおよいでしょう。
また、30代や40代の方でも、一定の胃がんの発生が認められます。できる限り、定期的な検査を受けることをおすすめします。