舌下免疫療法とは
舌下免疫療法とは、少しずつ身体をアレルゲンに慣らすことで症状をコントロールする「アレルゲン免疫療法」の1つです。アレルゲンを含む治療薬を舌の下に垂らし、定められた時間保持したのち、飲み込みます。これを毎日、数年間にわたって継続します。体質の改善を図る治療であるため、副作用のリスクが少なく、通院の頻度も減らすことができます。
現在、スギ花粉症またはダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎の治療において、保険が適用されます。
小児にも使用が可能です
舌下免疫療法は、6歳以上のお子様にも使用が可能です。ただし、重度の気管支喘息、がん、免疫系疾患のある方に対する治療はできません。ご注意ください。
舌下免疫療法で治療できる病気
舌下免疫療法は、スギ花粉症、ダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎の治療に使用することができます。開始時期をずらして、スギ花粉症、ダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎の両方を並行して治療することも可能です。
なお、スギ花粉症には「シダキュア」を、ダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎には「アシテア」「ミティキュア」という治療薬を使用します。
舌下免疫療法の流れ
Step1問診・診察・検査
初診では、どのようなときに、どのような症状が現れるのか、お聞かせください。
その上でアレルギー検査を行い、アレルギーの原因を調べます。
Step2診断
2回目の受診で、アレルギー検査の結果をお伝えし、診断します。
舌下免疫療法の適応となる場合には、その治療内容についてのご説明を行い、治療を行うかどうかを正式に決定します。
Step3初回投与
初回投与は院内で行い、投与後30分ほど経過を見ます。
問題ないようでしたら、以降はご自宅で投与していただきます。
Step4増量期
最初の2週間は、投与するアレルゲンの量を増やしていく増量期です。
毎日1回、舌の下に治療薬を投与し、1~2分保持してから飲み込みます。
Step5維持期
3週目以降は、毎日同じ量の治療薬を投与します。
投与方法自体は、増量期、またその後も変わりません。
Step6定期的な診察
1カ月に1回程度、ご来院の上、診察を受けていただきます。
治療薬の量、症状の現れ方などを確認します。 治療はおおよそ、3~5年継続します。
舌下免疫療法による副作用
主な副作用
- 口腔粘膜の浮腫、腫れ、かゆみ、不快感
- 口唇の腫れ
- のどの刺激感、不快感
- 耳のかゆみ
- 頭痛 など
重大な副作用
現在まで、重大な副作用が発生したという報告はありませんが、アナフィラキシー、アナフィラキシーショックなどが起こる可能性は否定できません。
舌下免疫療法が受けられない・
注意が必要な方
舌下免疫療法が受けられない方
以下に該当する方は、舌下免疫療法が受けられません。
- 6歳未満の方
- 重度の気管支喘息、がん、免疫系疾患のある方
- 重度の心疾患のある方
- 妊娠中の方、授乳中の方
- 近く妊娠の希望がある方
- 以前にアレルゲン免疫療法で強い副作用が出た方
- β阻害薬を使用、全身ステロイド薬、抗がん剤を使用している方
- 毎日の投与ができない方
舌下免疫療法を行うにあたって
注意が必要な方
また、以下に該当する方は、舌下免疫療法を行うにあたって注意が必要です。
- 気管支喘息、肺疾患のある方
- 心疾患、高血圧症のある方
- 歯科治療中の方
- 以前にアレルゲン免疫療法やアレルギー検査で副作用が出た方
- 肺疾患のある方
- 65歳以上の方
※65歳以上の方は、舌下免疫療法の効果が弱くなると言われています。ご検討されている方は、一度当院にご相談ください。
舌下免疫療法の費用
シダキュア、ミティキュアによるスギ花粉症の舌下免疫療法の費用は、おおよそ以下の通りとなります。
診察代 | 治療薬 | |
---|---|---|
初回投与の日 | 2,180円 | |
初回投与から2週間後 | 690円 |
※3割負担の費用です。1割負担の方は、上記の3分の1の費用を目安としてください。